校長News2020

校長News 2020

校長News 終業式

 令和2年3月24日(水)終業式を行いました。緊急事態宣言が解除になったとはいえ、全く予断を許さない状況であるため、今回もリモートで実施しました。
 4月から対面での行事や活動を増やしていけるといいと考えています。もちろん、感染症対策を十分施した上でのことです。通常に戻していくためにも、生徒の皆さん及び御家族の皆さんには、引き続き感染拡大防止への御協力をお願いします。

 以下は校長講話の概要です。(<続きを読む>をクリックまたはタップしてください)

 おはようございます。今年度は、緊急事態宣言に始まり、緊急事態宣言の終了とともに終わりを迎えたと言うことになります。この間、家で一人で過ごす時間が多かった人も多数いるでしょう。「おうち時間」などという言葉をあちこちで耳にします。
 残念ながら、感染拡大は今も止められておらず、この後もしばらくは、家で静かに過ごすことが求められるでしょう。

 皆さんは、その一人の時間をどう過ごしているでしょうか。
 先日、読売新聞に、地元埼玉西武ライオンズで活躍し、今はアメリカ大リーグのシアトルマリナーズでまさに辣腕を振るっている 菊池雄星 投手のインタビュー記事が掲載されていました。
 菊池選手は渡米して3年目になるのですが、メジャーリーグで強く感じたことは、活躍する選手ほど、心の切り替えが早いということです。勝っても負けても、早く切り替えて次の試合の準備をしなければ、長いタフなシーズンは乗り越えられないのです。
 心を切り替える方法は、映画を見たり、大人ですからお酒を飲んだりと、人それぞれですが、菊池選手は心の切り替えには本を読むことが一番だと言っています。その数は年間200冊から300冊になるそうです。
 アメリカは広いですから、移動に長時間かかることもあり、持って行った本を読み終わった時には、オーディオブックを聞くこともあるそうです。それくらい、菊池選手の中に本は染みついています。記事に詳しくは書いてありませんでしたが、物語に没入する、あるいは様々な空想や想像をすることで、心を野球からいったん離してリセットすることができるのだろうと容易に推測できます。

 しかし、菊池選手にとって、本は気分の切り替えだけのものではありません。
 現代は、インターネットの普及により、様々な情報があふれています。その中には、怪しい情報も含まれていますが、ネット上の短文では深く読み取ることが難しいにもかかわらず、自分が考えているようなことが書かれていると容易に信じ込んでしまう事があります。
 でも、本なら、読み返すことができ、本当かどうか、じっくり考えることができます。また、文学であるなら、感情を移入しながら、自分の生き方についてじっくり考えることができます。
 こうした作業を通して、いわゆる情報リテラシーを身につけることができると、菊池選手は考えています。
 ここから先は私の想像ですが、彼は有名人ですから、望まなくても自分への中傷やそしりを聞くことがあるでしょう。そうしたときにも、安定して対応するためのツールとしても読書を役立てているのではないかと思います。
 皆さんも、心の切り替えと、心の安定を必要とすることがあるでしょう。そうした時に読書は皆さんにとっても有効だと思います。

 更に、もう一つ、皆さんに読書を勧める大きな理由があります。皆さんは芸術を学んでいる以上、表現者であり、また、鑑賞者です。読書は、優れた表現者に必須である、表現に深みを持たせることを助けてくれるでしょうし、優れた鑑賞者になるために、情報リテラシーを生かしたクリティカルな思考と作り手の意図の的確な読み取りをする力を与えてくれるでしょう。
 今後もしばらく続くかもしれない、おうち時間。春休みのこの機会に、本を手に取ってはいかがでしょうか。

 最後に、緊急事態宣言が解除されたとはいえ、感染状況は1年前に緊急事態宣言が初めて発出されたときよりもはるかに悪い状況であることを忘れてはいけません。生徒の皆さんには、春休みにおいても・規則正しい生活習慣の徹底・手洗いの徹底と適切な換気・保湿、マスクの着用・不要不急の外出、生徒同士の会食等の自粛 など感染予防に努めてもらいたいと思います。

 では、また4月に元気に登校する皆さんを楽しみにしています。

校長News 卒業証書授与式

 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、今年度もコンパクトな式となりましたが、卒業生、保護者の皆さんの御協力で無事に第19回卒業証書授与式を行うことができました。
 改めて、卒業生及びその御家族の皆様、御卒業おめでとうございます。卒業生の皆さんがますます活躍していくことを期待しています。
 式の終了後は、卒業生にサプライズで在校生が作成した餞の動画を流し、卒業式への参加は代表の生徒のみだった在校生全員のお祝いとお礼の気持ちを伝えることができました。

 以下は式辞です。(<続きを読む>をクリックまたはタップしてください)

 

 一雨ごとの暖かさという言葉のとおり、校内の木々に春の訪れが感じられる今日の佳き日に、第十九回卒業証書授与式を挙行できますことは、皆さん卒業生はもとより、私たち教職員にとってもこの上ない喜びです。

 只今、卒業証書を授与しました一四七名の皆さん、御卒業おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。

 新型コロナウイルスとの戦いにより、こうした式典を大人数で盛大に行うことができなくなって一年以上になります。この卒業証書授与式もこのように大変コンパクトなものとせざるをえませんでした。卒業生の皆さん及び御家族の皆様に心からお詫び申し上げます。しかしながら、三年次団をはじめとし、教職員すべてが、心を込めて皆さんの御卒業をお祝いしています。

 さて、コロナ禍という名までついたこの世界的混乱の中で、二ヶ月以上にも及ぶ臨時休校やこれまでと異なる生活様式、それに伴う活動の制限など、私たちはこれまでの考えや行動を大きく変えていく必要がありました。学び方や働き方、家族や社会との向き合い方、その他生きることに関連する諸々の事柄について真剣に考えざるをえない状況となってしまっています。皆さんも、自分自身の生き方について考えることがあったのではないでしょうか。

 では、皆さんにとって、よりよい生き方とはどのようなものでしょうか。

 現在、世界ではこの厳しいコロナ禍に加え、様々な分断が進行しています。不安定で正義と悪などの区別が曖昧な今のような状況下では、安易に安定を求める余り、単純に善悪を決めて、自分たちだけが正しく、反対する者はすべて悪だという考えに陥りやすいものです。こうした考えをすることはとても簡単で、極めて明快であるために受け入れやすい生き方とも言えます。この一年、このタイプの人が世界各国で増加していると言われています。
 しかし、こうした短絡的なポピュリズムは、誤った方向に人を導くことをすでに史実が証明しています。大切なのは、自分の考えは間違っていることもあると考えて、一方的な偏った判断は避け、バランスをとることです。
 人々がバランス感覚を持ち続ければ、多様な人々が生きやすい社会が形成され、何より自分自身が生きやすくなっていきます。 一方で、バランス感覚を重視して生きることは、筋が通っていなくて明快でなく、その場に流されているだけで安直であるといったマイナスのイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、バランスをとり続けることを意識して日々の生活をしてみてください。それは決して簡単なことではなく、安直ではない信念のある生き方であることがわかるでしょう。 皆さんは本校で芸術を学び、「美意識」を磨いてきました。「美意識」は、時代の流れや思想を上手に取り入れて、バランス感覚に富んだいわゆる「納得解」を導き出す元になるものだと言われています。 「美意識」を磨いてきた皆さんなら、意識さえすれば、他の人にとっては簡単ではないバランスある判断を継続して行うことができるはずです。そのことで皆さん一人一人が暮らしやすいよりよい社会を作り、よりよい生き方ができるものと私は確信しています。自信をもって次のステップに進んでください。

 本当は、もっと皆さんの三年間の思い出をお話ししたいと思っていたのですが、残念ながら今回はこの場で多くの時間を割くことはできません。この騒動が落ち着いたら、是非学校に遊びに来てください。みんなで思い出を語り合いましょう。

 結びに、卒業生の皆さんが、大きな翼を広げ、限りない未来に向かって、思う存分羽ばたかれることを心から願い、式辞とします。

令和3年3月13日

埼玉県立芸術総合高等学校長 西野 博

校長News 全校集会

 12月24日(木)冬休み前の全校集会を今回もリモートで行いました。例年通りの活動ができないことにストレスや不満をきっと持っていると思いますが、生徒は多くの制約の中、できる限りの力を発揮してここまで頑張ってきました。ウイルスとの戦いはあと少し続きそうですが、これまでの経験と知恵を最大限活用して残り3カ月の学校生活を充実したものにしてあげられるよう学校も頑張っていきたいと思います。
 以下は全校集会でお話しした概要です。(<続きを読む>をクリックしてください)

 おはようございます。とうとう年の瀬となってしまいました。こうしてリモートでお話しするのも何度目でしょうか。少し慣れてきてしまっています。
 生徒の皆さんにはこれまでもマスクの着用、こまめな手洗い、バスの中等の閉鎖空間で静粛にするなど感染拡大防止に協力してもらっているところですが、北半球では冬を迎え世界各国で再拡大しています。今一度、気を引き締めて感染拡大防止に努めてもらいたいと思います。

 さて、今日は皆さんが備えるべき能力の一つについてお話しします。

 先日、あるサバイバルオンラインゲームがあるイベントの年間最優秀賞を獲得したというニュースがありました。私はオンラインゲームそのものをやりませんし、あまりに長い時間を費やすものやあまりに刺激的な内容のものがあると聞き、個人的には高校生の皆さんにお勧めはしません。
 でも、私はこのニュースには興味を持ちました。そのゲームはコンプリートしても全くすっきりしないので、極端に賛否が分かれたらしいのです。皆が絶賛というわけではなかったようなのです。理由の一つは、対立する相手にはそれぞれに理解できる正義があり、プレイしているうちにどちらが正しいか判別ができず、戦うことに苦痛を感じてくるというのです。

 この報道を聞いた時、そういえばと思った事があります。

 小さい頃、父親が好きで勧善懲悪の時代劇をよく一緒に見ていました。概ねクライマックスでは、主人公が敵の家来たちをバッサバッサと切り倒していました。ストーリーとしてはすっきりしていたのですが、切られた家来やその家族はどうなってしまうのだろう、彼らにも一つの人生があるだろうに、敵役にも悪事を働かなくてはならない理由があったはずだなどと考えるとそれほどすっきりしてみることはできませんでした。

 さて、ゲームや時代劇だけではありません。この現実社会でも、それぞれの人に生活があり、正義があります。他人には他人の事情があるのです。時として他の人と真っ向から対立することだってあるでしょう。だからといって、ゲームや時代劇のようにフィジカルで戦うことは許されません。
 特に近年になり、グローバル化がどんどん進み、社会はより多様性を増しています。自分と大きく違う様々な考え、様々な生活様式、様々な感覚を持つ人が身近となり、争いなく人々が暮らすためには社会的な制度設計だけではもはや追い付かなくなっています。

 その中で、私たちはどういった能力を持ち、どう生きるべきなのでしょうか。

 今年の本校の「夏休みの読書案内」に紹介されていた本のひとつ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」にヒントがありました。詳しい内容はぜひ、手に取って読んでください。
 著者のブレイディみかこさんは同情や共感という意味の「sympathy」(割と人はこれを求めがちですが)ではなく、私たちには「empathy」が必要だと主張しています。
 「empathy」とはやはり共感などと訳されることが多いのですが、ブレイディみかこさんは「自分と違う理念や信念を持つ人や、別にかわいそうだとは思えない立場の人々が何を考えているのだろうと想像する力」だと言っています。日本でいう「思いやり」に近いでしょうか。
 また、「sympathy」は同じ環境や境遇の中で生まれる外的要因に左右される感情ですが、「empathy」は生まれや育ちに関係なく、意識して獲得する力なのだとも言っています。

 皆さんには、今のように社会情勢が不安定な時だからこそ、こうした力を身に付けてほしいと思っています。互いの気持ちや実情を理解していくことが、社会の安定の第一歩で、皆さん自身の生きやすさにつながると思っています。

 皆さん以上に健康について不安に思っている人のこと、医療従事者の人たちのこと、感染してしまった人のこと、自分以外のいろんな人たちのこと、時間のある時に想像してみてください。

 そして、自分には何ができるのか考えてみてください。

 今日の私の話はこれで終わりです。健康と事故に留意して、いつもとは違うかもしれませんが、良いお正月を迎えてください。

校長News 12月第4週の出来事

12月22日(火)舞台芸術科の選択授業の一つ「狂言」の公開実技試験が本校総合練習場で行われました。例年であれば杉並能楽堂で実施するのですが、感染拡大防止の観点から本校での実施となりました。講師の山本東次郎先生にあたかも能楽堂であるような立派なセットと衣装をご用意いただき、生徒は緊張の中、素晴らしい演技を見せてくれました。

12月23日(水)映像芸術科卒業制作展が所沢市民文化センターミューズで行われました。作成した作品のプレゼンテーションと動画作品の上映などが行われました。本来なら、この素晴らしい作品の数々を沢山の方にご覧いただきたかったところですが、感染拡大防止の観点から保護者の方のみの限定公開となりました。

12月24日(木)音楽科1年生のソルフェージュの授業の一環として行っていたトーンチャイムのミニコンサートが中庭で行われました。あまり明るくないご時世ですがそれを吹き飛ばすような明るい音色で芸総のクリスマスイブを彩ってくれました。とても良いクリスマスプレゼントとなりました。

12月25日(金)美術科冬期講習会が27日(日)までの日程で行われました。通常の授業では十分に時間を取ることができないデッサンを集中して行うものですが、今年度は感染拡大防止の観点から時間を短縮して実施しました。時間は短かったかもしれませんが、その分より集中してモチーフに向き合えたようです。

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